離島経済新聞社とは?

約70万人が暮らす島々は
島国が失いつつある大切な価値観と
豊かな海洋資源が存在する場所です

離島経済新聞社は、島に根ざした専門メディアの発行を軸に、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島の周囲にある「有人離島」約400島の情報を集め、伝え、支える活動を行っています。

約70万人が暮らす島々には、多様な文化や自然があり、人と人が支え合う共助社会が存在します。それらは、島国に暮らす人々が本来持っていた「大切な価値観」と考えられ、人々が自然から離れ、人間関係が希薄になった現代社会の隅で輝く希望にも見えます。

日本の海は国土面積(世界61位)と比べて世界6位規模という広大さを誇ります。海から離れた地域では想像しにくいものですが、広大な海から豊富な資源を得られることで、この国に暮らすひとりひとりの暮らしが支えられています。

日本の有人離島は約400島
そのうちの9割が人口減少にあり
無人化が懸念される島もあります

日本の海をイメージしてください。太平洋の隅に寄せ集まる小魚の群れのような島国が、なぜ、これほど広い海で自由に経済活動を行うことができるのか。それには、約400の島とそこに暮らす人々の存在が大きく関係しています。

しかし現在、約400島のうち9割が人口減少状態にあり、営みの灯が消えつつある島も存在します。約400島に暮らす人々は日本の総人口の0.05%。島々が無人島となれば、多くの人のふるさとが消え、伝統文化が消え、広大な海を維持することも難しくなります。

どうすれば、島の暮らしを維持し、無人島化を防げるのか。

2017年現在、国を挙げて展開されている「地方創生」や、国境地域にある島々の振興を図る「有人国境離島法(有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法)」をはじめ、都道県・市区町村・民間企業や団体などによる「移住定住の促進」や「雇用創出」など、多方面からさまざまな対策が練られ、島々でも展開されています。

島の持続には「課題解決」が必須
しかし課題が可視化されていなければ
島を助けたくても、手が届きません

島々の暮らしを持続するには、島が抱えている「課題」をひとつずつ解決することが必要です。離島経済新聞社では、その課題解決の前提として「課題の可視化」が必要だと考えています。なぜなら、問題や課題が可視化されていなければ「島を助けたい」「役に立ちたい」と思う人が存在しても、それらに触れることはできず、無理やり触れたとしても、課題解決には至らないからです。

広い砂浜から1粒の星砂を探しだすことが簡単でないように、約400島の課題、さらには島のなかの島(=集落のことを「シマ」と呼ぶ地域も複数あります)単位の課題を探し出すことは難しく、行政や関係団体が集めるデータベースを探しても、集落レベルの基礎データや課題、資源、住民が展望する未来などに関する情報は、ほとんど可視化されていない状況にあります。

島に暮らす人々とともに
情報コミュニケーションの分野で
島々の課題解決を図りたい

島々には都市部からの往復交通費が海外旅行に匹敵する島も多くあるため、現地での取材や情報収集には膨大な費用がかかります。離島経済新聞社では、7年間の活動で培ってきた経験とネットワークを活かし、島々に暮らしている住民のなかから「ライター」「カメラマン」「コーディネーター」などを採用することで、メディア制作にかかる費用を最小限に抑えると同時に、島々の雇用づくりも行っています。

幸い、約400島の島々には、島に暮らす人や出身者を中心に「島を助けたい」「役に立ちたい」という熱い心を持った人々が存在し、離島振興法をはじめとする複数の振興法も存在します。

私たちは島を想う人々と共に、情報コミュニケーションの分野から島々の課題解決を図ります。

特定非営利活動法人離島経済新聞社

所在地
東京都世田谷区三軒茶屋1-5-9
設立
2014年2月1日
事業内容
この法人は、一般市民を対象に日本の離島地域の情報を収集・編集・発信し、離島地域の本質的な価値・課題の啓蒙につとめることで、離島地域の経済コミュニケーションを円滑化し、地域社会の健全な持続と発展に寄与することを目的とする。この法人は、上記の目的を達成するため、次の種類の特定非営利活動を行う。
  • (1)社会教育の推進を図る活動
  • (2)まちづくりの推進を図る活動
  • (3)観光の振興を図る活動
  • (4)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • (5)環境の保全を図る活動
  • (6)地域安全活動
  • (7)子どもの健全育成を図る活動
  • (8)情報化社会の発展を図る活動
  • (9)科学技術の振興を図る活動
  • (10)経済活動の活性化を図る活動
  • (11)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • (12)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
この法人は、上記の目的を達成するため、特定非営利活動に係る事業として、次の事業を行う。
  • (1)離島情報の認知を目指す情報媒体の発行事業
  • (2)島情報の認知を目指す教育・交流事業
  • (3)その他目的を達成するために必要な事業

スタッフ

代表理事
大久保昌宏
理事
勝眞一郎
田向勝大
監事
望月洋佑
統括編集長
鯨本あつこ
事務局長
宮本なみこ
編集スタッフ
石原みどり
松本一希
小野民
営業・ファンドレイジング担当
多和田真也
営業担当
上月温子

※当ページに記載のない人物は現行の離島経済新聞社スタッフではございません。

沿革

2010年10月
株式会社離島経済新聞社として法人設立
2010年10月
離島専門WEBマガジン『離島経済新聞』発行
2012年1月
離島専門タブロイド紙『季刊ritokei』創刊
2012年6月
ロハスデザイン大賞受賞
2012年9月
グッドデザイン賞受賞
2014年2月
非営利団体へ移行
2014年6月
日本財団共同事業『うみやまかわ新聞』開始
2014年9月
特定非営利活動法人離島経済新聞社設立
2015年10月
代表理事変更

「小さな島にはたくさんの人やモノやコトはありません。
だけど、都会にいると忘れかけてしまう
大事な価値観がちゃんと息づいています」

統括編集長 鯨本あつこ

2013年5月に行われたプレゼンテーションカンファレンスTEDxTokyoにて、
渋谷ヒカリエの本会場とUSTREAM中継あわせて国内外の10万人が注目するなか
島について語った統括編集長・鯨本あつこのプレゼンテーション全文を紹介します。

こんにちは、私はクリエイターの仲間と
日本の島を集めたメディアをつくっています。

みなさんは日本にいくつ島があるかご存知でしょうか?

地球上ではオーストラリアより小さな陸地を島というのですが、
日本には6852の島があります。そのなかで、人が暮らしている島は約430島。

東京から一番遠い有人離島は実は東京にあって
この会から南に1,000km、片道25時間半の小笠原諸島。
一応東京なので車のナンバーは「品川」です。
ほかにも、北は利尻島、南は波照間島、韓国の夜景が見える対馬。

私たちは有人離島ばかりのメディアをつくっているのですが、
どうしてつくることになったのか?きっかけはふとしたことでした。
3年前、私は離島に移住する友だちに出会い、
その島に遊びにいくためインターネットでその島を探しました。
でも、情報はあまり見つからなくて、よく分からないまま出掛けました。

その島は瀬戸内海にあって港からは船で30分。
果物がたくさんとれるそうで見知らぬ島人にミカンをもらいました。
島で会ったおじさんに、どんな島なのか聞くと、
おじさんは「宝島だよ」と答えました。

私たちがもらったミカンは特別なことじゃなかったようで、
おじさんは朝起きて玄関先を見ると、
魚や野菜がどっさりおかれているんだと、笑いました。

私たちは島をいいなと思いました。

でもなぜ、そんな島がインターネットで探せなかったのか考えました。
世の中には都会のように人やモノやコトが多い場所と
島のように少ない場所があります。

一方、情報の世界では都会も島も関係なく世界中の情報が集まります。
そこに小さな島の情報をあげても、膨大な情報に埋もれてしまう。
だから、私たちは情報の世界で島が埋もれないよう集めることにしました。

私たちはいろいろな島に出掛けました。
絶海の孤島といわれる青ヶ島は日本で一番人数の少ない村です。
天候が荒れると、数週間、船が寄りつけなくなることもあり、
そうなると島の商店はからっぽになってしまいます。
島の人に、大変ですねと聞いたら笑いながら、島だからねと言いました。

かつては罪人が島流しにされてきた八丈島。
外からきた人をもてなす文化があって、
今でも船の欠航が続いて帰れない人がでると
島のごちそうをふるまってくれる集落があります。
島々には数えきれないお祭りがあって、
集落の大人達は仲間と力をあわせ行事をとりおこない、
大人達の真剣な姿をみて子どもたちが育ちます。

古くから受け継がれている行事の多くは島の幸せを祈るものです。
みんなで唄い、踊りながら、自分が暮らす島に豊穣がもたらされるように、
漁にでかけた船が無事にかえってくるように、
家族や仲間が健康であるように、自然や、祖先に祈っていました。

私たちは島々の話を集めて、ちいさな新聞をつくりました。
こうした情報はあまりなかったので、
島人や、島が好きな人にも喜んでもらえて私たちはうれしかった。
だけど、それ以上に気づかされたことがありました。

私は、九州の田舎で生まれました。
18歳で都会にでて、学校にいき仕事をはじめました。
都会にはたくさんのお店やモノがあり、イベントがあり、
私は寝る間もなく働きながら、たくさんのものや、
あたらしいことを追いかけていました。
だけど時々、思うことがありました。

私は何を大事にしたいんだろう?

彼は最近、鹿児島の離島で豆腐屋をはじめました。
彼の島には高校がありません。
といっても、430島のなかで高校があるのは35島だけ。
ほとんどの島にはありません。

彼は私と同じく進学をするため都会に出ていました。
そしてある時、島に帰ると建設業をしていた彼の父親が
港を工事していて彼が好きだった場所がこわされていました。
彼はショックをうけ、父親に「何でなんだ」と聞きました。
すると父親は一言、「お前のためだ」と答えました。

子どもを進学させるのは簡単でなく、
日本全体が少子高齢化に向かうなかで高校がない島に
人が暮らしていくことは簡単ではない。
でも、彼は自分の大事なものを守れるよう、
島にもどり、起業して、日々奮闘しています。

彼らに出会い、私は大事なことに気づきました。
人生で大事なのはあたらしいものや、たくさんのものだけじゃなく、
どんなに小さくても自分が愛する土地や、
家族や、仲間を大事にすることなんじゃないか?

考えてみれば、私が生まれ育った田舎にもありました。
大好きな土地、家族、仲間。

それはきっと、世界中の誰にとっても大事なものですが、
たくさんのものごとがある世界でわからなくなっていました。

小さな島にはたくさんの人やモノやコトはありません。

だけど、都会にいると忘れかけてしまう
大事な価値観がちゃんと息づいています。
それはきっと大昔から変わらなかったもので、
この先も変わらない大事な価値観です。

今日、この会場にはいろいろな国から来られた人がいますが、
みなさんにひとつ覚えてほしいことがあります。

日本は島でできていてこの島々はみな宝島です。
今日はこのことを世界中のみなさんに伝えられて嬉しく思います。
ありがとうございました。